ラグ×インテリアの組み合わせで、思い通りの雰囲気をつくるには? #3
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こんにちは、早[SAKI]です。
4月1日から始めたニュースレター、第3回目です!
第1回目では、最近よく見かける海外インテリアで「今っぽさ」を作っているトレンド要素について解説しました。
先週配信の第2回では、自分が好きなインテリアの画像を集めて、実現したい方向性に必要な要素を観察して見つけ出していく方法を詳しく説明しています。
過去の記事はWebで読むことができます。まだの方はぜひ最初からどうぞ。
で、そのあとはどうするの?
さて、理想の部屋のイメージが膨らんだところで、じゃあ実際に自分の部屋を改造していくぞ! という時、空っぽの部屋に具体的に何から揃えていくのがよいのでしょう?
もちろん、これまでの暮らしで使ってきたものもあるし、完全な0から部屋づくりをスタートする方ばかりではないとは思いますが、4月に引っ越しをして心機一転、これからいろいろ入れ替えていきたい! という人も多いかと思います。
今回はそんな方のヒントになるかもしれない、私が最初に選ぶものNo.1の「ラグ」のはなし。
何から進めればいいのか、わからなーい! となったら、私のおすすめはまずラグから考えることです。
何もない床の部屋はただの空間ですが、ラグが敷かれるとそこは突然「家」になります。ラグは敷いた瞬間がらっと空間のイメージを変えて、これからの部屋づくりを方向づけてくれてくれる、インテリア選びのモチベーションを上げるお助けアイテムなのです。
さて、ではラグを探すために、まずはネットでググってみますか。
試しに「ラグ」と検索した結果、出てきた楽天のページは……
https://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E3%83%A9%E3%82%B0/
ふーん、こんな感じか。よくわかんないけどこういう無地のもふもふラグを買えばいいのかな……。
ってなりますよね。なって当たり前なんです、普通に探すとこういうのしか出てこないから。
でも、「無地のもふもふラグ」は実はかなり難しいアイテムなのでいきなり買わないでください!
これ約束です。
なぜ難しいのか。それは、無地でデザイン的な抑揚のないデザインのラグでは、あまりにも自由度が高すぎるからです。
自由度が高くて何にでも合わせやすいのはいいことじゃないの?
って思うかもしれません。確かにそういう面もありますし、あまり装飾しないすっきりシンプル! なインテリアをお好みの方はそれでももちろんOK。
でもそういう部屋づくりをしたい人は、あんまりこのニュースレターを読みたくならないんじゃないかな〜という前提で話を進めます。笑
自由度が高いということは、特定のスタイルや方向性に沿っていない、ということ。そうすると、その次に選ぶアイテムを絞り込むことが難しくなります。なんでも好きなものを選んでいいよ! って膨大な選択肢を与えられると、かえって選べなくなったりしますよね。
えーーじゃあどうすればいいの!? ということで、ここで前回の記事の内容の出番です。
まずは選ぶ前に、ステキなお部屋写真を見ながら、どんなラグとインテリアの組み合わせならどういった雰囲気を作れるのか観察して考えてみましょう。
ラグの種類は数あれど、それらが作り出す雰囲気はある程度のパターンに分けられます。私なりに最近よく見ている海外のお部屋をラグに注目して言語化してみました。
ラグ選びに悩んでいる方は、ラグ単体ではなく、お部屋全体の雰囲気にラグがどのように影響しているか? という観点でインテリアを考えることができるようになると、打開策が浮かぶかも。
白黒ラグ×カラフルで高コントラストのシティボーイ部屋
まずは、個人的にイチオシの「白黒幾何学柄ラグ」です。前回のニュースレターでは、私の部屋のリビングでもこの雰囲気のラグを使っている様子をご紹介しました。
白をベースに、黒でダイヤ型などの模様が入った、毛足長めのラグ。無地ラグより華やかさがあって、でも適度にクールな、絶妙な温度感を表現できるデザインです。
このラグに、多色使いでコントラストがはっきりとした家具、ラグのライン模様とリンクしたストライプ柄やジグザグ柄、シックな雰囲気のミディアム色〜ダークカラーの木の質感、という組み合わせでコーディネートすると、カラフルでポップなのに幼くない、華やかなのにどこかクールな雰囲気の部屋ができあがります。
私は個人的にこういったテイストがかなり好きなのですが、何か特定のスタイル名がついているわけではないのでいつも表現に悩みます……。ミッドセンチュリーや北欧の雰囲気を引き継ぎつつも、完璧にそのスタイルで固めずに個人のパーソナリティを感じるような、そんなラフさを残した部屋といった感じ。
雑誌『POPEYE』の定番企画である「シティボーイの部屋」が一番近いかも。
白黒ラグボヘミアンアレンジ
似た雰囲気のラグを使った色のコントラスト強めのコーディネートで、もっと植物やラタンやかごなどの自然のざらつきを感じる素材を増やすと、ボヘミアンで南国感のあるリラックスした空間に近づきます。
先日ご紹介した我が家はこの方向性ですね。
ちなみに、ここまでで出てきたミッドセンチュリーとか北欧とかボヘミアンって何?? という方は、昔書いたこの記事でスタイルについてざーーっくり解説しているのでよかったらご覧ください。
ただ、あんまりスタイルの名称そのものは本質的ではないので、そんなのがあるんだなーくらいで読み飛ばしてもらってもOKです。
暖色カラフルポップなフェミニン部屋
大胆な色柄使いのポップな部屋に、柄ラグは欠かせない存在です。特に、こういったピンクやオレンジといった暖色ベースの華やかなラグは、それひとつだけで部屋をある程度完成させてしまう存在感があります。
このお部屋では、ラグ以外の家具はアイボリーやブラウンなどの存在感少なめの中立的な色でなじませ、小物にだけピンクやオレンジを拾ってアクセントにしています。
こういった主張の強い柄のラグは、一見難しく見えるかもしれません。でも実は、細かく色づかいを考えたり、装飾に何を使おうか……と悩まなくても、「家具はシンプルにして、ラグの色をちりばめるように小物で飾りを足す」ことだけを意識すればいいので、かえって初心者向きのテイストだったりします。
カラフル柄ラグに、さらに色を重ねるように使っていくこういうスタイリングは上級編ですが、この場合にも、ラグの色をソファや壁紙などそのほかのアイテムで拾っていくことでうまく成り立っているのです。
カラフルラグ・ボヘミアンアレンジ
このお部屋は色ラグ×アイボリーの色づかいの最初の部屋と似た方向性ですが、ラグの柄がキリム(民族的な雰囲気の幾何学模様)なのと、ラタンの太陽型ミラーがあることによって少しエスニックな雰囲気が追加されてボヘミアンな仕上がりになっています。
ボヘミアンミックスはここ数年のどでかいトレンドなので、あちこちのお部屋に片鱗が見られます。
ボタニカル柄ラグのエレガント部屋
青みが強い色づかいの花柄ラグに、クラシックな雰囲気のボタンバック(座面や背クッションを規則的にボタンで留めているデザイン)の家具やゴールドを合わせて、カラフルなのにクールさとエレガントさが追加された雰囲気のお部屋。
花柄などのボタニカル柄は、それ単体でエレガントさやアンティークっぽい雰囲気を持っているので、その方向でまとめていくと違和感なく馴染んでくれます。
https://www.interior-van.co.jp/morris/
日本でも大人気のウィリアム・モリスのボタニカル壁紙とアンティーク風家具の組み合わせをイメージしてもらうと作れる雰囲気がわかりやすいかも。
壁紙は変えられないけど、クラシカルな雰囲気が好き! という方なら、代わりに花柄ラグは選択肢のひとつになりそうです。
メダリオンラグとネイビーの優雅な部屋
ボタニカルな花柄のほか、エレガントなラグといったら「メダリオン」柄。いわゆる「ペルシャ絨毯」でイメージする、真ん中にどんと印象的な柄がはいっているあれです。
メダリオンにも高級感にあふれたものからポップな路線までいろいろありますが、柄が細かいものや曲線的なものはよりエレガント感が強い印象で、柄が大きめなものや直線的なものはレトロでリラックスした印象になりやすいです。
ピンク×ネイビーのメダリオンラグに、ネイビーのチェアを合わせたインテリアはカラフルでありながら上質で優雅な雰囲気を感じる組み合わせ。
さらにラグのピンク色を拾ってピンクのチェアを配置しているデザインもよくみかけます。
同じピンクとネイビーの組み合わせでも、サーモンピンクのようなくすみがかった色味を選んで、さらにベージュのひとりがけチェアを足すことでもう少し温かみを追加しているお部屋。
ラグ選びと合わせる家具の組み合わせで、いろいろな雰囲気が作れることがわかりますね。(自由自在につくれるようになるのは大変ですが。私もまだまだ行き当たりばったりです……。)
暖色メダリオンラグのヴィンテージボヘミアン部屋
くすみが強い暖色のメダリオンラグ×ベージュベースの色合わせに大量の植物を置いたら、完全なボヘミアンスタイルに。これはお手本のようなど真ん中のボヘミアンインテリアです。
赤みが強いヴィンテージ感のあるラグは、色柄ラグの中でももっともバリエーションが多くて選びやすいデザイン。
しかも、このラグ一枚だけで十分に部屋が華やかになるので、色のことを他の装飾で考えなくていいのも楽なのでなかなかおすすめです。
他の家具は落ち着いた色味で特別印象的なわけではないのに、このおしゃれ感よ……。
また、この3枚の写真のような、メダリオンなどの織物柄カラーラグとジュート(麻)素材のラグとの二枚重ね使いはよく目にする使い方です。
かなりリラックス感が出る上、微妙にサイズの小さい色柄ラグを広いスペースで活用したいときの調整にも便利です。
グレーの幾何学ラグとメダリオンラグを組み合わせた上級編
ラグの重ね使いの中でも上級っぽいのがこのお部屋。グレーの幾何学模様ラグと赤いメダリオンラグ、喧嘩しそうに思えますがなぜかしっかり馴染んでしまう。
直線的な柄の雰囲気がリンクしていること、重ね合わせる柄の大きさにメリハリがあること(グレー=大きな柄、赤=細かな柄)、他の家具の色を抑えてラグのグレーと揃えていること、などが馴染んでいる理由でしょうか。
このへんのなじませテクニックについても、今後もっと深堀りしていきたい。
単色表情ラグ×ベージュグレーの落ち着き部屋
あえての単色ラグを選ぶ場合には、フラットな無地ではなくこんなふうに凹凸を感じるものを選ぶとのっぺり感を解消しやすくなります。
この写真のお部屋は全体のトーンをラグをベースに落ち着いたベージュに統一した上で、グレーのカウチソファとそれにリンクした色のグレークッション、壁のアートがいいアクセントに。
このお部屋も、色の印象はマスタードイエローとグリーンのみでアイボリーのラグとソファは背景の壁の色とほぼ同化していますが、ダイヤ柄が入っていることで床にほどよい表情があり良バランス。
無地ラグは家具で華やかさを追加
ここまでの話だと、無地ラグはぜったいに使っちゃいけないの? と思われるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。
無地を上手に使うには、部屋のその他の部分で装飾性を追加していく必要があるよ、だから実はちょっと難しいよ、というイメージです。
写真はペールトーンな色づかいの家具を無地のアイボリーラグの上に配置することで、華やかなのに落ち着いていてやさしい印象になっているお部屋。
グリーンとピンクのソファの合わせが素敵ですが、この配色を独自に考えだしてコーディネートするのは少し経験値が必要そうですよね。
今回のまとめ
ということでここまでをまとめると、
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色柄ラグは実はその後のコーディネートを楽にするお助けアイテム
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ラグの色や柄を拾って他のアイテムを選ぶと簡単
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単色ラグは表面に陰影のあるものを選ぶと使いやすい
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無地を選ぶときは他の家具で装飾性を追加する必要あり
でした!
今回ご紹介したテイストに気に入るものがあれば、まずは似た雰囲気のラグから取り入れるのを検討してみてくださいね。
こんな感じのラグを買うにはどこを探せばいいのか? も書こうと思ったのですが、ここまででまただいぶ長くなったのでそれは別の機会に……。
今回は、いま我が家で使っているこちらのラグの出どころだけ読者限定で貼っておきます。
一番最初に出てきた、白黒幾何学ラグです