住まい選びと防災(最後にお知らせあり)#65

こんにちは、早[SAKI]です。
このニュースレターでは、海外のお部屋のような個性的でセンスある部屋を作るためのノウハウを配信しています。
部屋づくりには「正解」はなく、どこまでも「自分(と共に暮らす人)が気持ちよく楽しく過ごせるか」だけが大切です。SNSに溢れる「こうするべき」あるいは「これをしてはいけない」といった断定的な情報ではなく、自分の「理想」を自分自身で手繰り寄せるための考え方のヒントをいろいろな切り口で紹介していきます。
4月後半に差し掛かってしまいましたが、やっとニュースレター1本目です。
4月も例のごとくバタバタしており、週1配信と思って始めたポッドキャストもサボってしまいました……。気を取り直して今週は配信していますので、よかったらこちらもどうぞ。
#7 部屋づくりでいちばん最初にやることは?『みねさき家ラジオーリノベ部屋から届けるインテリア談義』
▼Spotify Podcast
さて今回は、マシュマロにいただいた質問から。

ご質問、ありがとうございます!
住まいと防災。これは切っても切れない関係で、素敵な部屋には住みたいけど、安全性は気になる……という方は多いと思います。私自身も、インテリアを揃える時や家を買おうとする時、いろいろと調べて自分なりの基準を持って住まい方を決めてきました。今回はそんな話をお届けします。
災害発生時にまずは「死なない・大怪我しない」ことが最優先
住まいと防災で、私が一番大事に思っているのは「災害発生の瞬間に死なない・大怪我しない」ことです。
日本に暮らしていたら、いずれ来る大きな地震からは逃れられない可能性が高いです。
そうなった時に、まず最も重要なのは「大地震発生の瞬間、身の安全を確保できるか」です。大きな揺れの発生時に、まずは最初に死なないこと、そして身動きが取れなくなるような大怪我を負わないこと。これが第一。
発生の瞬間に自分や家族が無事で元気であれば、安全な場所に逃げることができます。でも、何か大きなものの下敷きになってしまったり、上から落ちてきたもので怪我をしたり、床に落ちたもので足を怪我をしたり……ということがあると、途端に避難が難しくなります。
地震の際は、直接の揺れ以上にその後の火災といった二次災害が怖いのですが、それも素早く危険な場所から離れることで生き延びる可能性を上げられます。
地震発生から8秒間で、家の中の安全地帯に逃げ込む想定
大きな地震が発生する時、安全な状態を確保するための猶予時間は「最初の小さな揺れからおよそ8秒間」だそうです。
大きな揺れが始まってしまうと、その場から移動することが難しくなります。だから、この最初の8秒の間に部屋の中の一番安全な場所まで移動できるかどうか、がまずは大事になってきます。
我が家の場合には、まず寝室と廊下が一番モノが少なく、壁が多く、ガラスなども少ない「安全地帯」です。
就寝中は一番無防備なタイミングなので、住まいの中で安全に最も配慮が必要な場所です。特に、頭上に何かを飾ったり置いたりする時は注意が必要だと思います。
我が家の寝室は照明は壁付けで固定、ヘッドボード上に飾っているミラーはラタン製でかなり軽くできており、万が一頭の上に落ちてきてもまったく痛くない、というものを選んでいます。
そして日中に時間を過ごすことが多いリビングダイニングですが、どうしても生活に必要なものが増えていく場所でもあるので、ここはある程度割り切って、万が一の地震発生の瞬間には子供を抱えて寝室に飛び込もう、というシミュレーションを定期的に考えています。
ただし、リビング・ダイニングにも、目線より高い位置には落ちてきて怪我をするような重たいもの置いたり飾ったりしないようにしています。
テレビも倒れないようにテレビ台に固定していますし、最低限、「その瞬間にいきなり行動停止にならない」だけの配慮をしているつもりです。もちろん倒れてくるような背の高い家具もありません。(必要なものはリノベの時に造作で壁に作ってしまったので、置く必要がないとも言えますが)
致命傷にならないものは、いったん気にしない
こんな感じで、その瞬間に死なないことを優先して家の構造や置くものを考えていました。
逆に言うと、落ちてきても大きな怪我に繋がらないモノや場所であれば、多少落ちたり倒れたりして壊れたところでそれは仕方がないので気にしない、とも考えられます。
低い位置に飾っている照明や花瓶には重いものもありますし、半個室になっているキッチンにはオープン棚の上にティーポットやグラスを収納していて、これは地震の時には無事じゃないだろうな〜とは思っています。
完璧な安全は存在しないし、万が一に備えて全てを固定したりまったく外に出さずに暮らすのも、やはり現実的ではありません。
自分なりに調べて、「ここまでのリスクなら許容できるだろう」というラインを判断し、それに基づいて自分なりのバランスでインテリア計画をする、ということしかないんだろうな〜と思います。
漠然と「地震があったら不安だな」と思っている状態から、具体的に「大きな地震が来たとしら、こういう行動を取って、このように対応しよう」ときちんと調べて心づもりをしておいた上で、それ以外の時間はちゃんと日常の生活を楽しむ、というのがいいのではないでしょうか。
「どう住むか」以上に、「どこに住むか」
ここまでが、家の「中」に関する防災への私の捉え方です。でも、そもそも防災に重要なことは、部屋の中の対策だけではありませんよね。
私は、家を買おうと思った時、本格的に災害時のリスクについていろいろな角度から検討しました。
地盤や水害リスクの有無といった立地条件と、戸建てorマンション、構造や築年数といった物件そのものの条件のところですね。